理事長挨拶

■組合員の皆様、こんにちは。理事長の松本道明です。 日頃より「長野県退教互」に対し、温かなご理解とご協力をいただき心より感謝申し上げます。

 ■長野県退教互は、2024年4月に、創立60周年の「還暦」を迎えました。
 1965年4月に長野県退教互は産声を上げ、大先輩の皆様による大変なご苦労とご努力により、教職員の福利厚生の一端を担う互助の組織として業務を開始し、教職員の皆様に「元気・安心・幸せ」を60年にわたりささやかながらお届けしてきました。

 ■2014年にはそれまでの「公益財団法人」から「一般財団法人」に移行し、新たな使命を果たすためにどのような事業を展開すればいいのか、模索が始まりました。
 組合員の皆様が、退教互に求め、期待することは何か。組合員の要望や期待に応えられる事業とは何か、事務局職員と役員との協議を続けました。

 ■2017年度を「改革元年」と位置付けて、経営や運営方法の抜本的な改革に着手し、改革で何を目指していくのか、三つの柱を立て、その具現化を進めました。

 第一の柱は、「つながる
 全組合員さんとのつながりを強めたいと考えて、ホームページの一新、退教互だよりの見直し、ウェブによる「情報照会システム」や「退職組合員資格取得支援システム」の構築などを進めました。

 第二の柱は「先を見通す
 将来にわたり退教互の健全経営と健全財政を維持していくために、「転ばぬ先の杖」となる施策をいくつも用意し、先を見通した計画を立て、早め早めに実行することを重視しました。

 第三の柱は「不易と流行
 半世紀を超える歴史を持つ退教互ですが、どんなに時代が変わっても色あせることのない「互助の精神」を決して忘れることなく貫き、一方では新しい変化も躊躇することなく、積極的に取り入れていくことを進めました。

 ■改革を進めていく中で2020年度には、退教互にとって大きな試練が降りかかりました。
 政府の社会保障制度改革による「全世代型社会保障制度」の検討が進められていく中で、後期高齢者の窓口負担の引き上げは退教互財政を直撃する厳しいものでした。また、日銀による金融政策の大転換も、退教互の資産運用に大きな影を落とすことになりました。

 ■そこへさらに追い打ちをかけたのが、2020年の2月から急速に広がった新型ウィルスによる感染症の全国的拡大でした。感染症により退教互の様々な機関会議が中止となり、2023年5月あたりまで退教互事業が大きく停滞することになりました。

 ■いくつもの要因が重なる中で、退教互事業の持続化とその財政地盤の持続化を合わせて、事務局内で検討を進めた結果、これまで通りの退教互事業を20年後、30年後も維持し続けることは極めて難しいのではないかという予想が浮上し、退教互財政の先行きに「黄色の信号」がともるようになりました。

 ■2022年7月、事務局による事業と財政の検証を踏まえ、「第6次財政問題検討委員会」を立ち上げ、様々な角度から検証や試算を行い、退教互が組合員の「心のよりどころ」となり続けるためにどのような見直しをすればよいのか検討を重ねました。

 ■2023年3月、財政問題検討委員会の最終答申を受け、それに基づいて2024年4月より制度変更が行われ、新しい事業運営を実施することになりました。

 ■組合員の皆様からは様々なお声が寄せられました。
「がっかりした」「だまされたような思いだ」という厳しいお声がありました。一方では、これから先も退教互を存続させるためには「やむを得ない措置であった」というお声もいただきました。

 ■どちらのお声も退教互にとっては、「ありがたい応援歌」だと受け止めさせていただき、これから先も皆様の心のよりどころとなれる退教互を目指して一歩一歩進んでまいりたいと決意を新たにしております。

 ■半世紀以上も前に、諸先輩の皆様が教職員の生活を仲間同士で守り、支えるために知恵を出し合って作り上げた「退職教職員互助組合」は、静かな中にも力強く第一歩を踏み出しました。

 ■あれから60年が経過した現代、教職員を取り巻く諸環境が大きく変化しています。「教職員の働き方」そのものが改革を迫られている中で、「互助の意識の希薄化」や「互助団体への加入を迷う職員」の増加などが課題となってきています。
 また教職員の職務が「多様化」、「複雑化」、そして「多忙化」する中で、教職の志願者数も減少傾向にあるのも気がかりです。

 ■教職員の仕事は日本や世界の未来を託せる子供たちをしっかり育てていくことです。その教職員が心も体も健康で、子供たちのために職務に専念するには、各互助団体が展開する福利厚生事業はますます重要であり、必要とされる事業です。

 ■長野県退教互も、現職や退職の教職員にささやかですが、「元気・安心・幸せ」をお届けするために頑張っています。「相互扶助の力」が教職員に届き、笑顔になれば、必ずその先にいる子供たちも笑顔になると信じています。

自己は他によって救われ、他は自己よって生き得る

 ■設立当時から引き継がれてきている「連帯と互助の精神」は、今日のような厳しい時代において一層その輝きを増すのではないでしょうか。
 引き続き、長野県退教互へのご理解・ご協力、そしてご指導・ご支援をよろしくお願いいたします。

2025年9月 吉日
  長野県退職教職員互助組合
     理事長 松本 道明

PAGE TOP